最後の浮世絵師「川瀬巴水」。海外では、葛飾北斎・歌川広重・川瀬巴水の名前の頭文字をとって、「風景版画の3H」と称されています。 その巴水の娘・文子さんと20年来の交流があり、人間巴水を知る数少ない研究者で『川瀬巴水と私物語』の著者でもある鈴木昇さんが、来年の没後70周年を前に「川瀬巴水を語る会」を開催してくださることになりました。
川瀬巴水は明治16年(1883年)、東京市芝区露月町(現在の港区新橋5丁目)の生まれ。幼い頃から絵を好み画家を志したものの本格的な修行の開始は遅く、鏑木清方への入門を果たしたあと。そのとき既27歳になっていたのだそうです。 転機が訪れたのは大正7年(1918年)。同門の伊東深水が手がけた連作「近江八景」を見て、木版画の魅力にうたれたといいます。 そして、版元の渡邊庄三郎と組み、塩原に取材し制作した三部作を翌年発表。写生に基づく温雅な下絵が清新な木版画となり、好評をもって迎えられました。 それ以後、旅に出てはスケッチをし、東京に戻っては版画を作るという暮らしを、病で世を去る昭和32年(1957年)まで続けます。
Appleの創始者スティーブ・ジョブズは熱烈な巴水のコレクターとして知られています。巴水のシンプルで無駄を削ぎ落した作風は、ジョブズの美学やApple製品のデザインにも大きな影響を与えたといわれています。
今回は鈴木さんのコレクションから、多摩川をモチーフにした川瀬巴水の初摺り木版画作品「東京二十景 矢口」(昭和3年作)と「武州滝山城址」(昭和16年作)の2点をお持ちいただき、みなさんに生で鑑賞していただけることになりました。
没後70周年を来年に控えての会、ぜひ貴重な機会をお見逃しなくご参加ください。
※イメージ画像1枚目は、川瀬巴水の木版画作品《東京二十景 矢口》(昭和3年作)です。
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